珈琲焙煎へのこだわり

私が珈琲豆の焙煎を始めたきっかけはあるコーヒーショップでの素朴な疑問でした・・・


私が珈琲豆の焙煎を始めたきっかけはあるコーヒーショップでの素朴な疑問でした。
毎日同じ銘柄のコーヒーを飲んでいるのにどうしてこんなに味が違うのだろう?
風味があったり無かったり、酸味が強かったり弱かったり、苦味が強かったり弱かったり、、等など。
そこで私自身、コーヒーショップの経営が将来の夢だったということもあり、「良い機会だ!とことん調べてみよう!」と思ったのでした。

最初はコーヒーの淹れ方等を勉強しましたがそうではない。もっと根本的な問題があるのでは?
そして出会ったのがコーヒー豆の焙煎をしている自家焙煎コーヒー店でした。
何度通っても同じ味で提供してくれるオーナーの姿勢を感じ、「コーヒーの味、品質作りはコーヒー生豆の仕入れから焙煎、抽出までのトータルで考えなければならないのだ、、」と。
そこから私のコーヒー豆の焙煎という終わりの無い長い旅が始まったのでした。

それではKENJIのコーヒーをご紹介させていただきます!

コーヒー生豆仕入れの原則

1)アラビカ種を仕入れる!(その他にロブスタ種、リベリカ種がある)
 アラビカ種は全世界で生産されているコーヒーのうち約75%〜80%を占め、ストレートで飲める唯一の品種であるといわれほど風味、香りに優れています。インスタントコーヒーに利用されているロブスタ種にくらべカフェインの含有量も半分以下である。

2)ニュークロップ(米で言えば新米)を仕入れる!
 ニュークロップに対しオールドクロップ(古米)がある。十分寝かせたオールドクロップを使用される焙煎業者もいますが私はやはり獲れたてのニュークロップを使用します。ちなみにお米は新米コシヒカリを食べています。

ニュークロップは水分があり、みずみずしさを感じますが、オールドクロップは水分が抜け、干からびた感じがします。

3)出所のわかるコーヒー豆を仕入れる!(生産者、農園、農協)
例えば「コロンビア ドミンゴ ラ・マヌエラ農園」のように。
品質に責任を持った生産者から仕入れることにより、私自身も品質に責任を持つ義務を負わなければなりません。

4)環境に配慮したコーヒー豆を仕入れる!(RA認証、JAS認定有機など)
環境に配慮した持続可能な営農活動を改善する包括的なプロセス(RA認証)や農薬を使わない安心・安全なコーヒー豆(JAS認定有機)を積極的に使いたいと考えています。

5)フェアートレード豆も扱う!
フェアートレード取引は安全で安心できる物を継続的に生産することができ、生産者が十分暮らしていける価格や賃金を保障しています。こうして生産者を経済的に支援して彼らが安心して働ける場を作り出し、貧困から抜け出す手助けをすること。それがフェアトレードの目的なのです。
フェアトレードは、寄附ではありません。途上国の人たちに支払うお金は、商品の代金であり、適正な賃金なのです。いままでは買い叩かれた取引が横行していたのです。

全世界、共存共栄が理念です。

焙煎前、焙煎後のハンドピックの原則

1)焙煎前ハンドピック!
 ハンドピックとは良いコーヒーをつくる上で重要な作業で、味に大きな悪影響を与える不良豆やコーヒー以外の異物(石、木屑)などを取り除く作業です。手間ひまかかりますが、お客様により良いコーヒーを飲んで頂くためには大変重要な作業なのです。

 不良豆にはパーチメント、カビ臭豆、発酵豆、未成熟豆、虫食い豆、その他などがあります。

2)焙煎後ハンドピック!
 当然でありますが焙煎前のハンドピックで100%不良豆が取り除けるわけでもなく、どうしても煎りムラという形で残ってしまったり、また肌焦げ豆や貝殻豆など、焙煎という作業によって生ずる不良豆もあります。
 この作業もまた、良いコーヒーをつくる上で重要な作業なのです。

コーヒー豆の焙煎の原則

 焙煎の中で最も重要なウェイトを占めるのが煎り止めの技術であります。つまり常に同じ味(焙煎度)でお客様にご提供できなければプロとして失格ということになってしまいます。
では正確な煎り止めを可能にするには焙煎作業中の何を基準にしたら良いのか?以下に挙げてみました。
豆の色・豆の艶・豆の温度・豆の表面の状態・焙煎時間・焙煎の音・豆の香りなどです。
私がこの中で1番重要視するのが豆の色と艶、2番目が焙煎時間と豆の温度です。
では具体的にはどのような判断作業をおこなうのか。以下の通りです。

1.豆の色と艶に関しては同じ状態の照度の中でサンプルと比較して判断しています。
2.焙煎時間と豆の温度は焙煎記録表を都度記録して判断材料にしています。

狙った豆の色、艶の状態が常に同じ焙煎温度と焙煎時間(焙煎温度曲線)で仕上がるように記録を取っています。

焙煎度(味づくり)の原則

 酸味のコーヒーが好きだから「モカ」をくださいというお客様がいらっしゃいます。でも「モカ」は深く煎れば苦味の強いコーヒーになります。つまりコーヒーの味は産地の銘柄ではなく浅く煎るか深く煎るか、つまり焙煎度によって決まってしまうのです。
 基本的にはコーヒーの焙煎度は8段階に分かれます。浅い順からライトロースト→シナモンロースト→ミディアムロースト→ハイロースト→シティーロースト→フルシティーロースト→フレンチロースト→イタリアンローストのようになっています。
 さて、ここで問題になってくるのは全ての銘柄の豆が全ての焙煎度(8段階)でおいしく飲むことができるのかどうかということです。答えはNOです。やはりそれぞれの銘柄によって水分の含有量、豆の形状、肉厚の厚い、薄いなどそれぞれ特性があるのでやはりそれぞれに適した焙煎度があるということです。
 ではどのようにして焙煎度を決めるのか?私の場合は仮に新しく出会った豆は8段階全ての焙煎を施し、実際にカッピングしてみて最適◎・適○・不適×の3つに分類します。そして◎と○の評価をした焙煎度で焙煎したコーヒー豆を商品としてお客様に提供させていただいております。それぞれの評価は以下の通りです。

 さてここでモカを取り上げてみます。焙煎度の 最適◎ はハイローストです。独特な風味と酸味、酸味が消えたあとに口の中に広がる良質な甘みは「やっぱりモカ」と思ってしまいます。
 しかしながら 適○ のフルシティーローストもまたモカのコクと甘みを最大限に引き出しており、「やっぱりモカ」と思ってしまいます。コーヒーは銘柄だけで味が決まるものではなく、焙煎度によって味が変化していくものなのです。

ブレンドづくりの原則

 私がブレンドをつくる際、要視しているのが

1.最も適した焙煎度で焙煎。
2.ブレンドするコーヒー豆の焙煎度を揃る。
3.配合する3〜4種類に留める。

KENJI COFFEEでは上記焙煎度表を参考にしてブレンドの配合豆を選定しています。以下の通りです。

以上がKENJI COFFEEがお客様に自家焙煎コーヒー豆をお届けする際のプロセスと独自の決まりごとです。
まだまだ書き足りない部分もあり、全てをお客様にお伝えすることが出来ません。ご了承ください。
また、今後はコーヒーの味の最終チェックの「カップテスト」やコーヒーの抽出などについてもお伝えできればと考えております。
コーヒーに限らず、何でもそうですが手間や時間を掛けて、丁寧な作業を心掛ければやはり良いものができるのではないでしょうか。KENJI COFFEEはまだまだ駆け出しのコーヒー屋ではありますが現状に甘んずることなく、常に向上心を持って果てしないコーヒーの道を歩んで行きたいと考えておりますし、決意でございます。
これからもどうぞよろしくお願い致します。


店主 KENJI KASAHARA